“破倫”の読み方と例文
読み方割合
はりん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
師直の破倫はりん、淫欲ときては、なかなかこんな程度のものではなかった。彼がいかに乱淫無頼ぶらいな男であるかは、次の一例でも分ろうと、書いているのだ。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうした人間の美しさを素直に受け入れないならば、戦野に於ける破倫はりんを彼は憎むわけには行かない筈であった。実際彼には、両方とも此んな危急ききゅうの状況にあってはむなしい営みに見えた。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
されば無智蒙昧むちもうまいの監守どもが、妾の品性を認め得ず、純潔なるいつくしみの振舞を以て、直ちに破倫はりん非道の罪悪と速断しけるもまたあながちに無理ならねど、さりとては余りに可笑おかしく、腹立たしくて
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)