“眼鏡越（めがねご）” の例文
「おまえは、私（わたし）の大事（だいじ）にしているらんの鉢（はち）を倒（たお）したろう。」と、眼鏡越（めがねご）しにじっと顔（かお）をにらんでおっしゃいました。孝吉（こうきち）は、知（し）らないことですから
すずめの巣 (新字新仮名) ／ 小川未明(著)
電燈の光が照らしたり——その明暗幽照（ゆうしょう）にまでも道のでこぼこが出来て——ちらつく眼鏡越（めがねご）しの近眼の目さきや、あぶなッかしい足もとから、全く別な世界が開らけた。
耽溺 (新字新仮名) ／ 岩野泡鳴(著)
母は手の物を置いて、眼鏡越（めがねご）しに省作の顔を視（み）つめながら
春の潮 (新字新仮名) ／ 伊藤左千夫(著)