まな)” の例文
うちみたところその顔は、十七八にも見えたが、そのまなざしは小児らしく悲しそうに見えた。
あめんちあ (新字新仮名) / 富ノ沢麟太郎(著)
ある疑問に似たものを持つ思いなしか、まなざしなどにはその人のよりも聡慧そうけいらしさが強く現われては見えるが、切れ長な目の目じりのあたりのえんな所などはよく柏木かしわぎに似ていると思われた。
源氏物語:37 横笛 (新字新仮名) / 紫式部(著)
全くこの横着な男にはこの触診の瞬間では窒息するかと懸命に思えたが、医師はこれ以上なんの質問もしないで書類に書きいれをし、私は医師の巨大な体躯をかすみかけたまなざしにおさめた。
その彼の幻想に映じた彼女の姿は、ただ光り輝くまなざしが深い印象を残した。
あめんちあ (新字新仮名) / 富ノ沢麟太郎(著)