真午まひる)” の例文
もっとも夏の真午まひるだからあまり人が戸外に出る必要のない時間だったのでしょう、私がここに着いたのはちょうど十二時少し過でありました。
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
頂上にのぼり尽きたるは真午まひるの頃かとぞ覚えし、憩所やすみどころ涼台すゞみだいを借り得て、老畸人と共にほしいまゝに睡魔を飽かせ、山鶯うぐひすの声に驚かさるゝまでは天狗とを并べて、象外しやうぐわいに遊ぶの夢に余念なかりき。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
後堂の寝殿は、真午まひるになって、ようやく窓をひらいた様子であった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)