盲目滅法めくらめっぽう)” の例文
彼は相手の陣立も、武器も、勢力も、秘略も、何も知らずに、ただ盲目滅法めくらめっぽう、無茶苦茶に双方の間に飛び込んでしまった形になっておる。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
すると思いがけなく事務員風の男が半身を起して、盲目滅法めくらめっぽうに掴みかかったので、菜葉服の男は面喰ったらしい。
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼は閂を両手に握って、盲目滅法めくらめっぽうに振り廻した。そいつが支那人の身体からだに当り、頭や腕をヘシ折るのだった。
地団太じだんだ踏んで、わめき立てているさまを想像すると、滑稽こっけいでもあった。二時間ほど、盲目滅法めくらめっぽうに快走をつづけたが、どうしたことか、左手に島影も発見できない。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
その盲目滅法めくらめっぽうな射撃は、およそ十五、六分も続いた。そして数枚の窓ガラスを打ち破った。
フランボーは盲目滅法めくらめっぽうに掘った。
盲目滅法めくらめっぽうの捨鉢でもない。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私の家に遊びに来ている農村の青年なぞを引っぱって近郷近在の野山を盲目滅法めくらめっぽうに歩きまわるのでした。
スランプ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その日一日を送りさえすればいいのだから、他人の迷惑になろうが、あとになって大事件になることが、わかり切っていようが構わない。盲目滅法めくらめっぽうに押しまくってその日一日を暮らす。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
盲目滅法めくらめっぽうにアガキ廻ってかえってブチコワシをやったりするもんじゃよ。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
むしろその不自由を極めた……世にも自烈度じれったい方法でもって、大資本を背景にした民族的大犯罪に喰い下って、盲目滅法めくらめっぽうに闘って行かなければならなかったところに、怪事件の怪事件たる価値や風味が
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)