盲従もうじゅう)” の例文
旧字:盲從
同時に、私は、今日の私の言葉が、君らを強制して、盲従もうじゅういるような結果にならないことを、心からいのらずにはいられない。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
この事実にちょうすれば温和を主とするとはいえ、必ずしも不正なる要求に対しても唯々諾々いいだくだく、これに盲従もうじゅうせよとの意ではなかったことがわかる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
だが、己がいかに無教育な少年であっても、一がいに彼等の所説に盲従もうじゅうし、信頼する気にはなれなかった。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
近頃流行はやるベルグソンでもオイケンでもみんなむこうの人がとやかくいうので日本人もその尻馬しりうまに乗ってさわぐのです。ましてその頃は西洋人のいう事だと云えば何でもかでも盲従もうじゅうして威張いばったものです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
強制されると、どんな不合理なことにでも盲従もうじゅうする。おたがいの相談に任されると、なまけられるだけなまける工夫をする。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
自分の心に面白くなしとあればその契約をくことも出来る。役人も国家の命令により身をしばられるとは論ずるものの、あくまでも心の盲従もうじゅうを要求されない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
形のととのった共同生活の姿を一刻も早くつくりあげようとしていいかげんに妥協だきょうしたり、盲従もうじゅうしたり、あるいは人任せにしたりすることは、厳につつしまなければならない。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)