目鑑めきき)” の例文
治部少輔三成という者それ自身が、人望において、これだけの大事を為すには、まだ足りない、人物としては、太閤が目鑑めききずみである。
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なるほど、一ツ橋にも、武士がいるな。さ、持ちなおして、もいちど来い。榊原健吉さかきばらけんきちが、すじを、目鑑めききしてやろう」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(呉服屋新兵衛の使でござりますが、この茶入のお目鑑めききを四方庵様へ願って来いと申されましたが)
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思わずめそやした。けれど賞めながらふと彼の思うらく。——この女房ばかりは、おれも少し目鑑めきき違いしたらしい。もらう前にていた以上どうしても人間が出来ている。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)