白隠はくいん)” の例文
白隠はくいん和尚は日ごろ修養を積み、平生へいぜいの言行が正しく聖人たる資格あることを証明したゆえ、一時疑いを受けたことも、数年ならずして解けたのである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
一時はその手段の一つとしての禅の研究を思い附き、『禅門法語集』や『白隠はくいん全集』をしきりに精読し、禅宗の雑誌まで購読し、熱心鋭意して禅の工風くふうふけっていた。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
大雅だって、芭蕉だって、江月だって、白隠はくいんだって、慈雲じうんだって、職場を守るための書道研鑽が混合している。純粋に、人間としての身嗜みからではなさそうである。
又、白隠はくいん恵端えたん、その他すぐれた宗教家がそこに深い歴史的の因縁を遺していることも聞いた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
白隠はくいんなりしゆえ、後日に至り疑いもけ、差し支えなかったが、しかし世間では、ややもすれば白隠はくいん以外の、しかも良からぬ人が、実際自分の私生児を引き
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ゆえにかかる場合に身を処すること同一筆法に出ても、ごろの修養如何いかんによりてその価値がいちじるしく違う。白隠はくいんはなしは美事であるが、僕はこの筆法をすぐに各自に応用するをはばかる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)