白銀町しろかねちょう)” の例文
喜「いから黙ってろ、殿様此女これの里は白銀町しろかねちょう白旗稲荷しらはたいなりの神主の娘ですが、何うしたんだか、亭主思いで、わたくしが酒を飲んでは世話を焼かせますが、能く面倒を見ます」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一ツ棟だ、かえって火元よりは火廻りの早かった藤木の方が何もかも丸焼けで、垣根を破って隣裏となりうらへ逃出し一家いっか命だけは無事だった。で、神田白銀町しろかねちょうの煙草問屋へチンコッきりに通うようになった。
白銀町しろかねちょうにも古い人がくなってね、今じゃ桶屋おけやの元さんと煉瓦屋れんがやの大将と親方ぐれえな者だあな。こちとらあこうしてここで生れたもんだが、民さんなんざあ、どこから来たんだか分りゃしねえ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は白銀町しろかねちょう三丁目の近卯きんうと申します鼈甲問屋べっこうどんやの若い者ですが、小梅こうめの水戸様へ参ってお払いを百金戴き、首へ掛けて枕橋まくらばしまで参りますると、ポカリと胡散うさんな奴が突き当りましたから
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)