“白濛々”の読み方と例文
読み方割合
はくもうもう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
妖しき霧が吹き起って、白濛々はくもうもう黒迷々こくめいめい、彼方の車は目の前にありながら、馬は口にあわを噛み、身は汗に濡るるばかりで、少しも距離は短縮されないのであった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見る見る四方白濛々はくもうもう、名古屋へ一時に冬が来て、あたかも吹雪が立ちこめたようだが、これぞ鷺組の捕り方秘法、刀の柄に「龍骨灰りゅうこつばい」を仕込み、打ち振るごとに奔出させ、味方の所在を眩ます手だ!
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして、わしが雲より低くいくときは、滝のごとき雨が竹童の頭からザッザとあたり、上層じょうそうの雲にはいるときは白濛々はくもうもう夢幻界むげんかいにまよい、かみの毛もつめの先も、氷となって折れるような冷寒れいかんをかんじる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)