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瘟気
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いきれ
ふりがな文庫
“
瘟気
(
いきれ
)” の例文
芝生を蹈む足のまはりに、草の仄かな
瘟気
(
いきれ
)
がして、梅雨の晴れ間の風の肌ざはりが、佗しい感じを杉田に与へた。
草いきれ
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
毎夜々々寝苦しいお島は、白い地面の
瘟気
(
いきれ
)
の夜露に吸取られる頃まで、外へ持出した縁台に涼んでいたが、近所の娘達や若いものも、時々そこに落会った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
嫩葉
(
わかば
)
の
萌
(
も
)
え出る木々の
梢
(
こずえ
)
や、草の
蘇
(
よみが
)
える黒土から、
咽
(
むせ
)
ぶような
瘟気
(
いきれ
)
を発散し、寒さに
怯
(
おび
)
えがちの銀子も、何となし
脊丈
(
せたけ
)
が伸びるような
歓
(
よろこ
)
びを感ずるのであった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
島田髷
(
しまだまげ
)
に
平打
(
ひらうち
)
をさして、こてこて白粉や紅を塗って、
瘟気
(
いきれ
)
のする人込みのなかを歩いているお庄の
猥
(
みだ
)
らなような顔が、明るいところへ出ると、
羞
(
はじ
)
らわしげに
赧
(
あか
)
らんだ。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
瘟
漢検1級
部首:⽧
15画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“瘟”で始まる語句
瘟疫
瘟病