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異体
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いてい
男は
彼女の
倅の重太郎であった。
其風采は母と同じく
異体に見えたが、極めて無邪気らしい、
小児のような可愛い顔であった。髪を
蓬に被った
頭を
掉って
(ねえ、こっちにもう一つ
異体なのは、
注連でも張りそうな裸のお腹、……)
その時、
捻向いて、くなくなと首を垂れると、
摺った
後褄を、あの
真黒な
嘴で、ぐい、と
啣えて上げた、と思え。……鳥のような、獣のような
異体な黄色い脚を、ぬい、と
端折った、傍若無人で。
これが満足で
居ても既に
此の如き
異体の怪物である。
“異体”の意味
《名詞》
異体(いたい)
体裁などが普通とは違うこと。
異なる体。
異体字。
《形容動詞・名詞》
異体(いてい)
風変わり。また、そのさま。
(出典:Wiktionary)