生路せいろ)” の例文
神居古潭かむゐこたんの停車場から乘車。金襴の袈裟、紫衣しえ、旭川へ行く日蓮宗の人達で車室は一ぱいである。旭川で乘換へ、名寄なよろに向ふ。旭川からは生路せいろである。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
それは今始めての事ではない、曾て別山から尾根伝いに登った時は、今日にも増して遥かに濃い霧の日に、生路せいろであったにもかかわらず少しも迷わず頂上に導いたのである。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
彼が生路せいろはおおむね平滑なりしに、轗軻かんか数奇さっきなるはわが身の上なりければなり。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)