“王岳”の読み方と例文
読み方割合
おうたけ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空の大半が紅潮を呈し、その紅の極まった頃、一筋の金箭きんせん王岳おうたけの峰から、空へ燦然さんぜんと射出された。つづいて無数の黄金のが、空を縦横に馳せ違った。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
釈迦岳しゃかがたけの山脈と王岳おうたけ連山の山骨とが一時畳まれた深い谿たにが、通路かよいじと云えば云えもしようか、緑樹紅葉打ちまじり秋山の眺望ながめは美しかったが旅人にとっては難場である。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一千二百二十尺の、王岳おうたけ山の頂きが、次第に水色を呈して来た。しかし山肌はまだ暗く、山全体は眼醒めざめなかった。王岳と向かい合った釈迦岳しゃかがたけは、しかし半分醒めかけていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)