獣皮じゅうひ)” の例文
旧字:獸皮
八風斎も欣然きんぜんとして、衣服大小をりっぱにあらため、獣皮じゅうひにつつんだ図面を懐中ふところにいれ、ふたりのあとについて屋敷をでた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かすか灯影ほかげに照らされた薄ら明るい天幕の中には、一杯に獣皮じゅうひが敷き詰めてあった。壺や皿や樽や桶が雑然として置かれてあった。天幕の梁には牛酪を充たした大きな革袋が釣るしてある。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
穀物、獣皮じゅうひうるし、織物などあらゆる物と物が交易されていた。馬市も立っている。鹿毛かげ、栗、月毛、黒などが何十頭も馬繋うまつなぎに首をならべていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、八風斎がしめしたのは、かれが学力の蘊蓄うんちくをかたむけて、くまなくさぐりうつした人穴ひとあなの攻城図、獣皮じゅうひにつつんで大せつに密封みっぷうしてあるものだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、獣皮じゅうひ獣蝋じゅうろう膏薬こうやく角細工つのざいく馬具革ばぐがわ、袋ものなど、あらゆる獣産物じゅうさんぶつを売っている。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)