狭量きょうりょう)” の例文
それは、他国人に比を見ない精悍せいかん熱情な点を称揚したようにも受けとれるが、実は狭量きょうりょうだという意味にもひびく。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暗い猜疑さいぎ狭量きょうりょうとが、こつちのはらはらするほど裸かになつて出た。私はそれを見るのがたまらなく厭だつた。
母たち (新字旧仮名) / 神西清(著)
また、義貞の狭量きょうりょうよと、人にいわれるのもよろしくない。……とまれ正成と会うて後、明日の備えはきめる。そちは大事をとって、ひとまず陣地を和田の辺まで下げておけ。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「死ぬなよ。そのときには、腹を切って、信長公や、この筑前に、申し訳をせんなどと、狭量きょうりょうな考え方をするのでなければ——行って来るがいい。大いにやって来てくれい」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
麾下に大役を命じて、それにまかしていられないほど、信長は、狭量きょうりょうではなかった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
、鉄砲で返答するも、ちと狭量きょうりょうじゃ。……和子わこたち、いまよいものを見せてやるぞ
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)