犬潜いぬくぐ)” の例文
一々、人調べをしてから、犬潜いぬくぐりから通しているので、私たちも改められて潜り抜けたが、何んだか陰気な不気味なことでありました。
「金沢町の江島屋——此間あざみの三之助が殺された場所、今度は塀の下の、犬潜いぬくぐりの穴に首を突っ込んだ伊保木金太郎がやられましたよ」
こうして遊戯の選手に当るべき犬殺しの来るのを待っている間に、例の長吉、長太の犬殺しが、犬潜いぬくぐりから入って来ました。
犬潜いぬくぐりの口から、わし達は外へ出された。一イ二ウ三イ四ウ……と頭数を数えられて
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
板塀の裾にあいている犬潜いぬくぐりの穴は、飼犬や野良犬が往来するために、板の割れ目を押し破って作ったもので、もとより人の手でわざ/\こさえたものではありませんが、横七寸、縦一尺ほどで