物費ものい)” の例文
こっそり一人で不見転みずてん買いでもする方が結句物費ものいりが少く世間の体裁もよいと云う流義。
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
まあせめて毎日の物費ものいりでも少くなるやうにと思つて、自分の事のやうにつましくやつて来たつもりですが、どうもそれがかへつて青木さんのお気に入らないやうな場合がありましてね。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
謙遜けんそんいたすな。——それとも、物費ものいりと思うて、親父への、気がねか」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ってくれというのか。ふふん、そりゃあ、だいぶ物費ものいりになるがね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然しそれさへ随分な物費ものいりである。
人妻 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)