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物怯
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ものお
ふりがな文庫
“
物怯
(
ものお
)” の例文
時に
物怯
(
ものお
)
じのする態度のうちにもどことなく悠揚迫らざるものがあったが、この二三年来、それらのものが全く一変して
終
(
しま
)
った。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「ご辺のように、そういちいち
物怯
(
ものお
)
じしたり疑いにとらわれるくらいなら、初めから
軍
(
いくさ
)
はしないに限る。ご辺も武将の職をやめたらどうだ」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
所が、尾彦楼の中には、日没が近付くにつれて、何処からともなく、
物怯
(
ものお
)
じのした陰鬱なものが這い出して来た。
絶景万国博覧会
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
されど牡鹿山の城中弓矢取りては耻かしからぬ武士共
罷在
(
まかりあり
)
候へ共、かゝる風流の会は何とやらん不案内にて
物怯
(
ものお
)
ぢやしたりけん、戦場の儀ならば功名をも争ふべけれ
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
若僧 いいえ、か細い声でしたけれどたしかに、——ちょうど
物怯
(
ものお
)
じした煙が木々の葉にかくれながらのぼってでも来るように、そこのくらやみからきれぎれにきこえて来ましたのです。
道成寺(一幕劇)
(新字新仮名)
/
郡虎彦
(著)
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働きのない
良人
(
おっと
)
に連れ添って、十五年の
間
(
あいだ
)
丸帯一つ買ってもらえなかった叔母の訓練のない弱い性格が、こうさもしくなるのをあわれまないでもなかったが、
物怯
(
ものお
)
じしながら、それでいて
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「ほ。利久どののお子だったか。道理で、
物怯
(
ものお
)
じせぬ
面
(
つら
)
がまえよ。
幾歳
(
いくつ
)
になられる」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
怯
漢検準1級
部首:⼼
8画
“物怯”で始まる語句
物怯気