牝猫めねこ)” の例文
皆川町時代から飯田町、東片町の家に出入したものは誰でも知ってる、白いムクムクとふとった大きな牝猫めねこが、いつでも二葉亭のひざの廻りを離れなかったものだ。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
実に女という奴は、金盗人と遊冶郎とにばかり目をつけてやがる。牝猫めねこねずみと小鳥とを追っかけるもんだ。
年とった牝猫めねこと若い牝猫との喧嘩の場面を磯五に聯想れんそうさせて、真ん中にすわっている磯五が、困りながら、内心面白くてくすくす笑って、けしかけるようなこころもちで見物しているとき
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)