牝猫めすねこ)” の例文
この牝猫めすねこはもう十二三歳になる老猫なので、去年妊娠した時にも自分の力で生むことが出来ず、注射で陣痛を促進してようよう生んだのであったが
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「何をいやあがる! さ、もう勘弁ならねえから出てうせろ。出て行け、この宿なしの牝猫めすねこ——」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
牝猫めすねこの眠そうな眼の奥を警戒したまえ。ここには本能的な偽善者がすました顔で控えている。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
「鈴」と云う牝猫めすねこを可愛がって、食事の時は脚下に置いていろいろの物を与えるのであるが、少しあぶらっこい物は自分が食べるよりも大半鈴にってしまう。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)