煤臭すすくさ)” の例文
「じゃ、それでも好い、急いで持って来ておくれ。」持って来たのは御飯といっても砂だらけ、御汁といっても煤臭すすくさいようで、おまけに塩湯でも飲むようだ。
木曽御嶽の両面 (新字新仮名) / 吉江喬松(著)
後にはに消えかかった、煤臭すすくさほたの火だけが残った。そのかすかな火の光は、十六人の女にさいなまれている、小山のような彼の姿を朦朧もうろうといつまでも照していた。……
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)