煙火えんか)” の例文
数丈すうじょうの高さに昇ると見る間に、今まで朦朧たるその人影は、煙火えんかごとにじの如く、燦々さんさんたる光を纏うと共に、紫匂う振り袖に、東雲あけぼの染めの袴を穿き、したたるような若衆髷わかしゅわげの、若衆の姿が現われた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)