濠橋ほりばし)” の例文
大手の松原前にかかると手綱たづなをとめ、介添かいぞえして鞍わきへ立つ。そして光秀が降りると、馬を部下にあずけ、自分は主人に添って、濠橋ほりばしへ歩いてゆく。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、疑っているらしく、夜半までなんの行動にも出て来なかったが、雨の小やみになった明けがた近く、突忽とっこつとして、一隊の兵馬が、濠橋ほりばしを渡って、洛外に逃げていった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おそらく、背後うしろの山地のふところ辺りでは、すでに城郭の巨材は、大工の手で組むばかりに仕上げられ、やぐら、塀まわりはいうに及ばず、濠橋ほりばしから内部の建具一切も、あらかた出来ているものと、この治郎左は睨んでおるが」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
濠橋ほりばしを引け、城門を閉じよ」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)