激厲はげ)” の例文
『留守中はいろ/\難有う。』と丑松は自分で自分を激厲はげますやうにして、『学校の方も君がやつて呉れたさうだねえ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
人種と人種の競争——それにひけを取るまいといふ丑松の意気が、何となく斯様こんな遊戯の中にもあらはれるやうで、『まけるな、敗けるな』と弱い仙太を激厲はげますのであつた。丑松は撃手サアブ
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『しかし、其が奈何どうした。』と丑松は豆畠の間の細道へさしかゝつた時、自分で自分を激厲はげますやうに言つた。『自分だつて社会の一員ひとりだ。自分だつてひとと同じやうに生きて居る権利があるのだ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)