澄徹ちょうてつ)” の例文
純粋無垢むくな鏡のごとき青年、澄徹ちょうてつ清水しみずのごとき学生! それは神武以来任侠の熱血をもって名ある関東男児のとうとき伝統である。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
しかしまた、逆境が彼の剣と心業とを不断にみがいて円明えんめいてん澄徹ちょうてつした境地を大成させたともいえると思う。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
明日の朝の八時はいつもの通り強い日が空にも山にも港にも一面に輝いていた。馬車をてて山にかかったときなどは、その強い日の光が毛孔けあなから総身そうしん浸込しみこむように空気が澄徹ちょうてつしていた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)