潮路しおじ)” の例文
船と岸のちょうど真中ぐらいのところに、白波が立騒いでいる潮路しおじのようなものがある。どうなることかと思っていると、そこもどうやら無事に泳ぎ切った。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
学生はしばらく沈思ちんしせり。その間に「年波としなみ」、「八重の潮路しおじ」、「渡守わたしもり」、「心なるらん」などの歌詞うたことばはきれぎれに打誦うちずんぜられき。かれはおのれの名歌を忘却ぼうきゃくしたるなり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)