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滲透
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しんとう
ふりがな文庫
“
滲透
(
しんとう
)” の例文
映画でもこれは顕著に
滲透
(
しんとう
)
している。アメリカ映画はヤンキー教の経典でありチューインガムやアイスクリームソーダの余味がある。
映画芸術
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
具象的(具体的)なる存在とは、実に多が一の中で
融
(
と
)
け合い、部分が全体の中において、有機的に
滲透
(
しんとう
)
混和して統一されたものに外ならない。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
私も机の上に頬杖を突きながら
凝乎
(
じっ
)
とカ氏の話に聞き惚れていたが、この時だけはさすがに亡国の民族の哀れさが聞いている私の胸にまでも
滲透
(
しんとう
)
して
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
彼が他の人に
滲透
(
しんとう
)
する力はむしろその一半を彼のうちになお生きている懐疑に負うている。少くとも、そうでないような宗教家は思想家とはいわれないであろう。
人生論ノート
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
作者が皇女でも皇后でも、天皇のうえをおもいたもうて、その遊猟の有様に
聯想
(
れんそう
)
し、それを祝福する御心持が一首の響に
滲透
(
しんとう
)
している。決して代作態度のよそよそしいものではない。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
びん入りの動物標本などで見受けるように、小動物の肉体に特殊な液体を
滲透
(
しんとう
)
させて、その液中に置けば、ある度までは透き通って見える。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
すぐに三毛をかかえて
風呂場
(
ふろば
)
にはいって
石鹸
(
せっけん
)
で
洗滌
(
せんじょう
)
を始めたが、このねばねばした油が密生した毛の中に
滲透
(
しんとう
)
したのはなかなか容易にはとれそうもなかった。
子猫
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
この寂滅あるいは虚無的な色彩が中古のあらゆる文化に
滲透
(
しんとう
)
しているのは人の知るところである。
俳諧の本質的概論
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
時代をつけると言ってしょっちゅう
頬
(
ほお
)
や鼻へこすりつけるので
脂
(
あぶら
)
が
滲透
(
しんとう
)
して
鼈甲色
(
べっこういろ
)
になっていた。
夏目漱石先生の追憶
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
また火山の生因として海水が地下に
滲透
(
しんとう
)
し、それが噴火山の根を養うという現代でもしばしば繰り返される仮説もまたその端緒をルクレチウスに見いだすことができるのである。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
昔の政事に祭り事が必要であったと同様に文化国の政治には科学が奥底まで
滲透
(
しんとう
)
し密接にない交ぜになっていなければ到底国運の正当な進展は望まれず、国防の安全は保たれないであろうと思われる。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“滲透”の意味
《名詞》
滲 透(しんとう 「浸透」に「同音の漢字による書きかえ」がなされる)
浸透と同義。
(出典:Wiktionary)
滲
漢検1級
部首:⽔
14画
透
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
“滲透”で始まる語句
滲透圧
滲透性