“湯香(ゆのか)” の例文
暮色はいよいよ濃(こまやか)に、転激(うたたはげし)き川音の寒さを添ふれど、手寡(てずくな)なればや燈(あかり)も持来(きた)らず、湯香(ゆのか)高く蒸騰(むしのぼ)る煙(けむり)の中に、独(ひと)り影暗く蹲(うづくま)るも、少(すこし)く凄(すさまじ)き心地して、程無く貫一も出でて座敷に返れば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)