温熱あたたかさ)” の例文
堅い地を割って、草の芽も青々とした頭をもちあげる時だ。彼は自分の内部なかの方から何となく心地こころもちの好い温熱あたたかさき上って来ることを感じた。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
大鍋おおなべのかけてある炉辺ろばたに腰掛けて、煙の目にしみるような盛んな焚火にあたっていると、私はよく人々が土足のままでそこに集りながら好物のうでだしうどんに温熱あたたかさを取るのを見かける。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それでも温熱あたたかさが取れるという風だ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)