かす)” の例文
そして皆がしぼられたかすなんだ。俺達あみんな働きすぎたんだ。俺達あ食うために働いたんだが、その働きは大急ぎで自分の命をへらしちゃったんだ。
淫売婦 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
されば悟れるとは己れが迷を知ることにして、そをだつせるのいひにはあらず。哀れ、戀の鴆毒ちんどくかすも殘さず飮みせる瀧口は、只〻坐して致命の時を待つの外なからん。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
うわ澄みをすくってすべてのクリームを取り、農夫にはあとのかすだけをのこしたのである。
儉約な祖母おばあさんはそのソップかすへ味を附けて自分等にも食はせたが、しまひにはそのにほひが鼻へ着いて、誰も食ふ氣に成れなかつた。仕方が無いから、祖母さんはそれを乾して三時の茶といふと出した。