清少納言せいしょうなごん)” の例文
姑が嫁を愛するというような事は昔の清少納言せいしょうなごんも珍しい物の中に引いている通りむしろ例外であって、「あなたは善い姑をお持ちになってお仕合せです」
姑と嫁について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
午後に、家のものはB姉妹のもとへ招かれて御輿みこしの通るのを見に行った。Bは清少納言せいしょうなごんの「枕の草紙」などを読みに来る人で、子供もよくその家へ遊びに行く。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
老紳士「なるほどそうでございましょう。清少納言せいしょうなごんも鶏の雛を愛らしきものに数えた位で鶏を ...
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
むかしにも紫式部むらさきしきぶ清少納言せいしょうなごんなどという才媛さいえんがあった。いまの世からも、女性の偉いものが出て欲しい。そもじは天正てんしょうの紫式部になれ、今の世の清少納言になってみい。そうはげましてくださいました
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清少納言せいしょうなごんなどもそうした女房の一人であった。『枕草紙』にも「をかし」という形容詞が頻発するのを、ただ軽く「おもむきがある」という風に置き換えて読んでいると少し見当がちがうようである。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
小野小町おののこまち清少納言せいしょうなごん和泉式部いずみしきぶなどの歌った物を見ますと、女が主観の激しい細かな詠歎を残しておりますが、この方には割合に矯飾が行われずに真率に女性の感情が出ております。
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)