涼台すゞみだい)” の例文
父は翌日また弟に馬の絵を彫つた燈籠を作つてやりました。その夜の涼台すゞみだいの上には朝顔のとそれが並んで吊されました。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
頂上にのぼり尽きたるは真午まひるの頃かとぞ覚えし、憩所やすみどころ涼台すゞみだいを借り得て、老畸人と共にほしいまゝに睡魔を飽かせ、山鶯うぐひすの声に驚かさるゝまでは天狗とを并べて、象外しやうぐわいに遊ぶの夢に余念なかりき。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
浴衣を着て涼台すゞみだいへ出ますと、もう祭提灯まつりちやうちんで街々が明くなつて居ます。私の町内の提灯は、皆かぶとの絵がかいてあるのでした。隣町は大と云ふ字、そのまた隣町は鳥居とりゐ玉垣たまがきの絵だつたと覚えて居ます。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)