浜納屋はまなや)” の例文
浜納屋はまなやづくりのいろは茶屋が、軒並のきなみの水引暖簾のれんに、白粉おしろいの香を競わせている中に、ここの川長かわちょうだけは、奥行のある川魚料理の門構え。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平三が浜へ来た時、平七は鰹を陸へ揚げて了つて船の垢水あかを汲み出して居た。女共が五六人其の鰹を担つて運んで居た。平三は衣服を浜納屋はまなやへ投げ込み、襯衣シヤツの上に帯を巻いて船に飛び乗つた。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
長屋中の鎧材料から倉の中の物も、みんなどこかへかくす算段をしろ。——そうだ、浜納屋はまなやの方へ持って行け。運べ、運べ
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、私は時々浜納屋はまなやや舟の中などで、弥市老人に頼んで喫はせて貰つた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
縫殿介ぬいのすけと伊織とは、顔見合せてにことした。住居はすぐ店の浜納屋はまなやつづきである。あるじの太郎左衛門に会って
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、一方へあごをしゃくるなり、連れの編笠あみがさをうながして、浜納屋はまなや囲いの軒並を離れてしまった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長岡家の使いとして、縫殿介ぬいのすけと伊織のふたりが、武蔵の返書をたずさえて、立帰って行ったあと。——彼の身を寄せている廻船問屋のあるじ、小林太郎左衛門は、浜納屋はまなやの露地づたいに、店頭みせさきへ姿を見せ
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)