流木りゅうぼく)” の例文
「山田では、紀州の家臣どもが、そちの正しい裁決に、ひねられたそうだな。紀州領と山田との境界争いやら、紀州材の流木りゅうぼく事件などの公事くじで」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それまでに、できるだけたくさんの流木りゅうぼくとかめとを、本部島に運んで、冬の支度をしなければならない。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
「このあたりに流れついている流木りゅうぼくを拾って、いかだを作りましょう。そして、もしもあの大入道を殺すことができなかったら、それに乗って、にげたらよいじゃありませんか。いかがです。」
そしてなお、川の中には、乱杭らんぐいを打込み、大綱を張りまわし、膳所ぜぜ供御くごのあたりまでは水も見えぬほどな流木りゅうぼくだった。すべて敵の渡河にたいする防禦であるのはいうまでもない。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「船長。たいへんな流木りゅうぼくです」
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)