活仏いきぼとけ)” の例文
旧字:活佛
むかしは本願寺の御門跡様ごもんぜきさまといえば、活仏いきぼとけといわれておったが、北陸御巡化ごじゅんげのときには、信者が浴水をもらい受けて帰ったことは事実である。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
それでも、老人たちの残したおしえは固く守られていると見えて、今でも、この島の最後の者たるべき女の児は、喇嘛ラマ活仏いきぼとけのように大事にされている。
すると、西蔵チベット靴をかたりかたりとさせながら、活仏いきぼとけの影がすうっと流れてくる。むくんだ、銅光りのする顔がちょっと覗いたが、それはやがてひれ伏した。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「野郎、へえってみやがれ、野郎、活仏いきぼとけさまが附いてござるだ。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あれが、法海禅師様だ、活仏いきぼとけだ」
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「あれが、法海禅師ほうかいぜんし様だ、活仏いきぼとけだ」
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)