波映はえい)” の例文
四、五段の船そこ梯子ばしごから上に上半身を出す。とたんに、眼もとをしかめた。まだ海上はいちめんな狭霧さぎりだが、大きな旭日と、波映はえいの揺れに、物みな虹色にじいろに燃えていたのである。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
俊基は、そこから、隣舟となりぶねの若い男のすがたを、月の波映はえいの中に、まざと見ていた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)