法華堂ほっけどう)” の例文
この前後、恒性つねさがは、山城の国鶏冠井かえで法華堂ほっけどうにかくれ、日蓮宗の日像にちぞうのもとで、名も大覚と変え、一法華行者となって、機をうかがっていたのだった。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宝治ほうじ元年の六月、前将軍頼経よりつねを立てようとして事あらわれ、討手うってのために敗られて、一族共に法華堂ほっけどうで自害した三浦若狭守泰村わかさのかみやすむらという人の名なぞも出て来た。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
源氏は夕顔の四十九日の法要をそっと叡山えいざん法華堂ほっけどうで行なわせることにした。それはかなり大層なもので、上流の家の法会ほうえとしてあるべきものは皆用意させたのである。
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)