江山こうざん)” の例文
蹉跌さてつ彼において何かあらん、彼は蜻蜓州せいていしゅうの頭尾を踏み破りて、満目まんもく江山こうざんにその磊塊らいかいの気を養えり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
江山こうざん洵美じゅんびこれ吾郷わがきょう」〔大槻盤渓おおつきばんけい〕と、身世しんせい誰か吾郷の洵美を謂はざる者ある、青ヶ島や、南洋浩渺こうびょうの間なる一頃の噴火島、爆然轟裂、火光煽々、天日を焼き、石を降らし、灰を散じ
折ふし、春靄しゅんあい江山こうざん江水こうすいは、絵のようだった。そして時々耳には
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江山こうざんの晴れわたりたるのぼりかな
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
ただ一時応変の彌縫策びほうさくに過ぎず。みすみすかくの如き江山こうざん挙げて人に附するぞ口惜しけれ。越えて寛政十年露船蝦夷えぞに到り、文化元年露国使節レザノット長崎に来り、互市ごしを請う、許さず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「ああ、天下第一の江山こうざん」と嘆賞した。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
欄干に江山こうざん低しのみふるふ
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
草餅をつまみ江山こうざんはるかなり
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)