気風きっぷ)” の例文
旧字:氣風
本来、さばけた気風きっぷを持っていたお雪ちゃんは、長浜へ近く、ようやく人の眼と口とに慣らされてくると、もう全く度胸が据ってしまいました。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
庄兵衛は気風きっぷも良し金も切れ、おまけに徳性で子分の面倒をよく見てやったから、百人あまりの身内も出来て押しも押されぬ顔役になっていたが、早くから
無頼は討たず (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
本当の親の周助は、隣に住んでいる魚屋の伝吉の男前と気風きっぷに惚れて、お澪を伝吉にやる気になっている。腹の底からの切支丹の周助が、娘を旗本へ妾奉公に出すのを
だが、お鯉さんは好い気風きっぷでしてね。馬鹿だなんていう奴がドサの慾張りなんですよ。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)