気仙沼けせんぬま)” の例文
倉持は空腹を感じていたので、料理と酒を註文ちゅうもんし、今母のいた部屋で、気仙沼けせんぬま烏賊いかの刺身でみはじめ、銀子も怏々くさくさするので呑んだ。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
たとえば東北では仙台・気仙沼けせんぬまなど、西では近江おうみ彦根ひこねでも、また京や大阪のちっとも鼹鼠などはいない大都市でも、やはり小児が町中を押しあるいて
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「これはこのたび奥州気仙沼けせんぬまは何とか何兵衛の女房お何が生み落しましたる血塊童子でござい。だいは見てのお戻り、しゃい、いらっしゃい。カチカチイ。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
気仙沼けせんぬまにまわし、御蔵米おくらまいと称して自分年貢の米を江戸へ回漕かいそうしている、これはたしかな事実だが、これらについても、江戸の重職の意見が聞いておきたいと思う
これも昭和八年の津浪の時のこと、津浪の数日前に、宮城県気仙沼けせんぬま湾の一景島の沿岸、干潮時の水深五寸位の泥海に、体長十二センチくらいのマイワシの泳いでいるのが発見された。
地震なまず (新字新仮名) / 武者金吉(著)
ヅクヅク 陸前気仙沼けせんぬま