毒気どくけ)” の例文
旧字:毒氣
かさね崇禅寺そうぜんじ馬場の大石殺し、または、大蛇の毒気どくけでつるつるになった文次郎ぶんじろうの顔などが、当時の悪夢さながらに止められているのである。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
いつも少々毒気どくけを抜かれた形で一同が神妙にきいていると、先生は少しきまり悪そうににやにや笑いながら「どうも僕が来ると、実験の邪魔ばかりするようだね」
その顔にまざまざと嘲笑ちょうしょうの色を認めた時には、多少毒気どくけを抜かれた形だった。
強いものでもその毒気どくけにあたってまもなくんでしまうほどでした。
手紙 一 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)