そこな)” の例文
幻滅の悲劇とは即ち是れである。吾等は生れながらにして無明の慾を有つて居る。身を養はんが為の食物を過度にして、吾等は却て其胃をそこなふ。徳に伴ふべき名声を希ふて、吾等は却て吾が徳を損ふ。
土民生活 (新字旧仮名) / 石川三四郎(著)
「七日。漸晴。」武揚等の艦隊中蟠竜回天の二艦が機関をそこなつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
露ほどの恨みもとこしへに解くることなく人をそこなはんと思ふ。
哀詞序 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)