殿守とのもり)” の例文
美しくゆひ上げたるこがね色の髪と、まばゆきまで白きえりとをあらわして、車の扉開きしつるぎびたる殿守とのもりをかへりみもせで入りし跡にて、その乗りたりし車はまだ動かず
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
殿守とのもりがねぶたがりつる朝ぼらけ 千里せんり
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
毛革の肩かけを随身ずいじんにわたして車箱しゃそうのうちへかくさせ、美しくゆい上げたるこがね色の髪と、まばゆきまで白きえりとをあらわして、車のとびら開きし剣おびたる殿守とのもりをかえりみもせで入りしあとにて
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)