“残夢”の読み方と例文
読み方割合
ざんむ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或は市中公会等の席にて旧套きゅうとう門閥流もんばつりゅうを通用せしめざるは無論なれども、家に帰れば老人の口碑こうひも聞き細君さいくん愚痴ぐちかまびすしきがために、残夢ざんむまさにめんとしてまた間眠かんみんするの状なきにあらず。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それよりもさらに有名なのは会津城下の実相寺、第二十三世の桃林契悟禅師とうりんけいごぜんじ、その号を残夢ざんむまたは秋風道人という者はすなわち海尊だということが、すでに林羅山の『神社考』などにも見えている。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
現に今日にても士族の仲間なかまわたくしに集会すれば、その会の席順はもとの禄高または身分に従うというも、他に席順を定むべき目安めやすなければむを得ざることなれども、残夢ざんむいま醒覚せいかくせざる証拠なり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)