“歩衝”の読み方と例文
読み方割合
ついたて100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
野呂松人形は、そうある事を否定する如く、木彫の白い顔を、金の歩衝ついたての上で、動かしているのである。
野呂松人形 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
舞台と云うのは、高さ三尺ばかり、幅二間ばかりの金箔きんぱくを押した歩衝ついたてである。Kの説によると、これを「手摺てすり」と称するので、いつでも取壊せるように出来ていると云う。
野呂松人形 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その左右へは、新しい三色緞子さんしょくどんす几帳きちょうが下っている。うしろは、金屏風きんびょうぶをたてまわしたものらしい。うす暗い中に、その歩衝ついたてと屏風との金が一重ひとえいぶしをかけたように、重々しく夕闇を破っている。
野呂松人形 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)