武者草鞋むしゃわらじ)” の例文
耳を澄ますと谷の中から、鎧のひしめきや人の声や、右往左往に走り廻わる武者草鞋むしゃわらじの音などが一緒になって一つの鈍い動揺どよめきが、聞こえて来るようにも思われる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
成経 野武士らはわしの懇願こんがん下等かとう怒罵どばをもって拒絶した。そして扉を破って闖入ちんにゅうし、武者草鞋むしゃわらじのままでわしのやかた蹂躪じゅうりんした。わしはすぐに飛び出て馬車に乗った。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)