業体ぎょうてい)” の例文
旧字:業體
いや、膝だの、女の背中だのといって、いけとしつかまつった和尚が業体ぎょうてい恐入おそれいるが、話が、話じゃからそこはよろしく。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一体、悪魔を払う趣意だと云うが、どうやら夜陰のこの業体ぎょうていは、魑魅魍魎ちみもうりょうの類を、呼出し招き寄せるに髣髴ほうふつとして、実は、希有けぶに、怪しく不気味なものである。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……お前さん、近所で聞くとね、これが何と……いかに業体ぎょうていとは申せ、いたし方もこれあるべきを、裸で、小判、……いえさ、銀貨を、何とか、いうかどで……営業おさし留めなんだって。……
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)