“棕梠竹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅろちく50.0%
しゅろだけ25.0%
しゆろだけ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
右の方に周囲まわり尺余しゃくよ朱泥しゅでいまがいのはちがあって、鉢のなかには棕梠竹しゅろちくが二三本なびくべき風も受けずに、ひそやかに控えている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その代り食物屋の軒電灯の集まっている暗い路地の人影を気にしたり、カフェの入口の棕梠竹しゅろだけを無慈悲にむしり取ったりした。それがどうやら田舎臭い感じを与えて、かの女に失望の影をさしかけた。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そのなかを、時々、おそろしくこんもりした密林があり、棕梠竹しゆろだけや下草が密生して、いはゆるジャングルのさまを示してゐる処もあつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)