梯子酒はしござけ)” の例文
「だから酒をつきあったのさ」と木内は云った、「あんたはいつかのように梯子酒はしござけで、おれは泥棒になりてえって、大きな声で云い続けていたよ」
へちまの木 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そのときも彼はその負傷が、昨夜の梯子酒はしござけ行脚あんぎゃのときにどこかで受けたものであろうとばかり考えていた。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
それから十年っていたある年の大晦日おおみそかの晩で、長い学校生活を終わった伊東の数人の仲間が京橋きょうばしのビヤホールで何軒目かの梯子酒はしござけをやっているときだった。
暴風雨に終わった一日 (新字新仮名) / 松本泰(著)
酔っぱらって、酔っぱらって、梯子酒はしござけか。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
辰は珍らしくいいきげんで、久しぶりで飲もうと云い、梯子酒はしござけをやって、本所二つ目にある木賃宿でいっしょに泊った。そのとき辰が云いだしたのだ、と幸助は云った。
枡落し (新字新仮名) / 山本周五郎(著)